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「夫婦別姓」と「戸籍制度廃止」 (15)

前回】のつづき>>>>

 

 

 

「岡野さん、こんにちは。お邪魔するわね」
美和子がオフィスに入ると、岡野が一人でモニターに向かっていた。
「こんにちは。矢頭さんはまだ来てませんけど、そろそろ現れると思います」
岡野は、モニターから顔を上げて美和子に言った。
「ありがとう。じゃ、こちらで待たせてもらうわね」
美和子は、応接に向かった。
「ごめんなさい。僕、モニターから離れられないんで、そこらへんにあるお茶とか適当に飲んでいてください」
「ありがとう。そうさせてもらうわ」
一週間分の仕事をまとめた書類の束を応接テーブルに置くと、美和子はコーヒーメーカーをセットした。
モニターに向かう岡野の横顔が見える。真剣な表情で作業をする岡野の顔は、一層端正に見えた。

 

「どうぞ」
美和子は、淹れたてのコーヒーのマグを岡野のデスクに置いた。
「ああ、ありがとうございます」
岡野は少し驚いたように、美和子を見上げて礼を言った。
「大変ね。日曜日まで仕事しているなんて。いつ休んでるの?」
「計画が始まってから、ずっと休んでません」
「本当に?大丈夫なの?」
「苦痛に感じることはないですから、心配しないでください。いつまでも続くわけじゃないですし」
やけにハッキリと岡野は言った。
「そう。でも、体には気を付けて」
なんだか間の抜けた応答だと思ったが、他に適当な言葉も見つからなかった。
岡野の前には複数のモニターがある。チラリと目をやると、一つのモニターがさらに4分割されて、複数の映像が映し出されていた。映像は、どこかのビルの屋内の様子に見えた。岡野は、まるで監視カメラを通して屋内を監視する警備員のようだった。岡野に何かを探っているように思われるのも不本意だと思い、美和子はすぐに応接のソファに戻った。

 

祐介や岡野たちは、何をしようとしているのか。この状況をどうやって元に戻そうと言うのか。ただ、岡野のハッキリとした口調は、この計画がほどなく終わることを暗示しているようだった。
今日このオフィスに呼ばれたのも、祐介が何かの情報を引き出すためだということは分かっていた。この前、祐介が手に入れた情報は、大臣を陥れた越善マユミの件、そしてその黒幕がNBSテレビのトップだということ。それが計画にどう関係するのだろうか。そして、今日は美和子の得たどんな情報が欲しくて自分を呼んだのか。美和子が思案を巡らしていると、突然ドアが開いて祐介が入ってきた。

 

「遅くなってゴメン。待った?」
祐介は、つかつかと小さなキッチンに近づくと戸棚から自分のカップを取り出し、美和子が作ったコーヒーを注いだ。
コーヒーをすすりながら、ソファに腰掛けると祐介は身を乗り出した。
「どう?久々の職場は?一週間働いてみた感想は?」
「どうもこうもないわ。本当に、バカバカしいくらい変わっていたわ。以前いた報道部は、素人だらけで何の報道もできてないし。意味もなく韓国人が管理職についていたり。あれで国際色豊かな職場だなんて笑っちゃうわ」
美和子は、鼻で笑いながらソファに背を凭れて脚を組んだ。

「職場の人以外に変わったことは?例えば、ビルのセキュリティシステムが変わったとか」
「そういう所は、以前と全然変わってなかったわ。通信システムやネットワークの管理方法すら変えてないんだからビックリよ。何の危機意識もないみたい。もっとも、韓国から受け取った映像を流しているだけで、知的財産も機密も何もないから問題ないんでしょうけど」
祐介はニヤリとした。


「そう。ところで、越善さんはどうしてる?」
「ああ、マユミ?」
美和子は、不機嫌そうにテーブルの上の書類の束から、「民主党大訪中団」のパンフレットを取り出して見せた。
「なんだか知らないけど、マユミも同行取材するらしいわよ」
祐介は無造作にパンフレットを取り上げると、大きな瞳で瞬きもせずに文字を追った。
「8月15日。やっぱりそうか」
「ええ。8月14日に、チャーター機を十機ほども飛ばすらしいわ。マユミは政府専用機でVIP待遇らしいわ」
「8月14日?出発時間は?」
「こんなことがそんなに気になるの?確か、政府専用機が羽田を離陸するのは昼の12時頃だって言ってたわ。それで、チャーター機も順次離陸するそうよ。くだらないツアーね」

美和子は、テーブルの上の書類を纏めて祐介に手渡した。
「気付いたことを全部書いておいたわ。好きに使ってちょうだい」
「ありがとう」
受け取ると、祐介は書類をパラパラとめくって目を通した。
美和子は、祐介の企みが未だに推し量れずにいた。


「矢頭さん、大変です!」
突然、岡野が立ち上がって叫んだ。
「川村さんが・・・川村さんが、拘束されたみたいです!」
「何だって?!」
祐介は、慌てて岡野に駆け寄りモニターを覗きこんだ。
「ここです。見てください」
「あっ・・・」
眉間にしわを寄せて、祐介は食い入るようにモニターに顔を近づけた。

「何?川村さんが、どうしたの?」
美和子も岡野の傍に駆け寄った。画面には、数人の男に取り囲まれて抵抗する川村千恵子らしき姿が映っている。やがて、抵抗も虚しく連れ去られて画面の外に消えていった。
「何なの、これは!?どこなのよ、一体?川村さんに何をさせていたのよ!?拘束されるなんて、どんな危ないことをさせていたの!?拘束して言った連中は誰なの!?」
美和子は、祐介のシャツをつかんで揺さぶるようにして責めるように言った。
「すまない。でも、詳しいことは言えないんだ」
「詳しいことは言えないって、先輩はいつもそればっかり。酷いわ。川村さんがこんな目に遭っているのに。どうするつもりなの?!川村さんにもしものことがあったら・・」
祐介は、美和子の両肩をしっかりと掴んだ。
「ごめん。でも、川村さんのことは、僕が責任を持って対処するから」
祐介の大きな瞳で見つめられ、美和子は戸惑った表情で目をそらした。

 

視線を落とした先のモニターの一つに、美和子の目はくぎ付けになった。
不意に美和子は、祐介の手を振り払いモニターに近づいた。
「りょ、涼子・・?」
モニターを見つめる美和子の瞳孔がみるみる開いていった。
「涼子!涼子だわ。なんで涼子がこんなところにいるの。どこなのここは!?ねえ、先輩!」
今度は、祐介が驚いた表情でモニターを覗きこんだ。
「そうか・・そうだったのか」
「何?先輩、何を言ってるのよ!涼子はどこにいるの!?ここに映っているのはどこなのよ!?」
半狂乱になった美和子を目の前にして、祐介は迷ったように口ごもった。
「先輩!教えてちょうだい!これはどこなの?!ねぇ、ねぇ!まさか、まさか!」
「女性救済センターですよ」冷静な声で岡野が言った。
いゃぁぁああっ!美和子は、頭を抱えながらその場に座り込んだ。
美和子の悲鳴が部屋中に響き渡った。

 

「矢頭さん。きちんと説明した方がいいですよ」
岡野の言葉に、迷っていた祐介は我に返ったように頷いた。
「わかった」
祐介は、美和子をソファに座らせると落ち着くように言った。
美和子は、涙で乱れたメイクを見られないように、俯いたまま頷いた。

 

「実はね、川村さんは寺坂さんから女性救済センターの話を聞いて、自分からセンターの内情を探りたいと僕らに申し出たんだ。僕らは、そんなことは自分たちでやるからと説得したんだけど、センターに出入りできるのは女性だけだから是非自分にやらせてくれと何度も何度も頼まれた。それで、彼女をセンターの清掃業者に潜り込ませたんだ。
 川村さんには、清掃と備品の手入れをする傍ら、盗聴器や隠しカメラを設置してもらっていた。でも、必要な設置はもう何日も前に全部終わっていて、川村さんには引き上げるように伝えていたんだ。にも拘らず、川村さんはセンターへの出入りを止めなかった。今にして思えば、川村さんは君の妹があのセンターにいるのではないかという疑念を最初から抱いていて、僕らに仕事の申し出をしたんだと思う。

 ごめん。君の妹のことは、僕らは全く知らなかった。川村さんからは何も聞いていなかったんだ」

祐介は、美和子の震える肩に手を置いた。
 


「でも、信じてほしい。君の妹と川村さんは、必ず救出する。ちょうど一週間後に」
「一週間後?」
「ああ、計画を実行する日取りが決まった」
美和子は、祐介の顔を見上げた。

 


祐介は、立ち上がって岡野に言った。

「岡野。みんなに知らせてくれ。決行は14日だ」

 

 

 

 

>>>> つづく

 

AUTHOR: 犬 DATE: 09/14/2010 03:08:28 昨日のTVタックルで田島陽子は何故あの様に育ったのか わかりました!彼女は彼女が一番嫌いな敵・彼女の父親に似てるのですね (^O^)選択的夫婦別姓は革命とも言ってましたね… 夫婦同姓制度は強制だからダメと言うなら日本の国自体統一出来なくなり分裂するだろう !反天皇制 (反家父長制)、男女同権(夫婦別姓)、憲法九条(護憲)地球市民(外国人参政権)…私は田島陽子は日本の解体を目指してるとしか…直ぐ人のせいにする人ですので私は信用してません!「拉致問題を話し合いで解決しろ」と発言したのに勝谷さんに「あんたを特命大使にしてやるから北と話し合って拉致被害者を助け出してこい!」と言われ「嫌だ」と即答してました! できないでは無く嫌なんです…嫌な人間を信用してるのです!
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