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茶の話(2) 杉下右京の珍推理

前回は、茶葉の話をいたしました。【茶のはなし

今回は、茶道具の話を少しばかりしてみたいと思います。

 

実は先日、知人よりテレビドラマの録画ビデオが送られました。

テレビ朝日「相棒」の正月スペシャル番組で、茶道具にまつわるミステリー。知人によると、テロ朝のことだから何らかの捏造が含まれている疑いがあるとのことで、ツッコミを入れて欲しいとの要望でございます。

 

さっそくドラマを拝見し、ツッコミたいと思います。

 

ドラマのストーリーでは、重要な茶道具のひとつである「茶入れ」が事件解決のカギとして扱われております。

 

茶入れは、写真のような容器で、濃茶を入れるものございます。

薄茶の抹茶を入れる容器は棗と申します。

 

こちらは、茄子型の茶入れでございますが、もう少しスリムで上部の角ばった肩付などもよく使用されます。

 

ドラマでは、事件解決のカギとなる茶入れについて、主人公・杉下右京が「明の皇帝から織田信長に下賜されたもの」という珍推理を展開。わたくし、腰を抜かしてしまいました。

 

脚本家さん、水谷豊は嫌いな俳優ではないので、可笑しな台詞をしゃべらせないでくださいまし。

 

まず、茶道具でございますが、唐物という中国などからの輸入物が存在しておりまして、年代物になりますと、大唐物と呼ばれ確かに価値の高いものでございます。これは、杉下右京の台詞の通りです。

 

ですが、茶入れといいますのは、中国では「薬味入れ」などとして使われていたもので、それを茶道具として使っているのは日本の茶道だけでございます。つまり、「茶入れ」という道具が高価なものとして扱われていたのは日本だけの話で、中国において「やげん掘」のひょうたんと同等の「日用品」を明の皇帝が下賜するなど、チャンチャラ可笑しいことなのでございます。

 

名探偵・杉下右京ともあろうお方が、そのような知識もございませんとは、お釈迦様でも知らぬ仏のお富さんでございますよ。

 

中国の皇帝が下賜するものといえば、以前、訪中された天皇陛下に国家主席が図々しくもプレゼントしようとした「金印」以外にございません。

テレ朝も、最近注目度の高い茶道に目を付けたのはいいですが、安土桃山時代の日本が「明の冊封体制下」にあったかのような捏造洗脳サブリミナルを無理やり組み込んだため、名探偵・杉下右京がタダのバカになり下がってしまいました。

 

茶道具というものは、高価なものが必ずしも良いということではありません。侘び茶の世界は、あり合わせの物で心をつくすことを大切にしております。枯野に打ち捨てられた壊れ兜を茶釜代わりに、茶を点てたという話もございます。

このような茶の心から、素朴な日常品が大切な茶道具としてあつかわれるようになった歴史がございます。

 

なにぶん茶の心は、左翼マスコミの崇め奉る物質主義(マテリアリズム)とは対極にあるものでございますゆえ、テレ朝がこのような恥ずかしい間違いを堂々と放送してしまうのも無理はございません。

 

右京の珍推理は、笑って聞き流して差し上げて下さいまし。

 

 

AUTHOR: ご隠居 DATE: 06/20/2010 17:47:24  エンコリでも韓国坊やが、ウリナラの飯茶碗をチョッパリはあがめ奉っているニダ!などと見当外れのことを書いていましたが、モノの美というものは美学による照明があてられて初めて輝く場合もある、ということが理解できなかったようです。
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To tm05311さん
こんばんわ。ご隠居様の常連さんですか。よろしくお願いします。
焼き物や美術に詳しいですね。
天目茶碗も、高麗青磁と同じで、技術が断絶してしまったようですね。
他人が断絶させた技術を日本人がコツコツつないでいたのですが、今頃になってウリナラ起源ニダとか言い出してますし。
それにしても、ピカソも利休も商売人ですwww

いえ、断片的な知識を繋ぎ合わせているだけなので、
すぐに無知がばれます。
実は、お伺いしたい事がありまして、出張してきた次第です。
かなり以前なのですが、日本人陶芸家が天目茶碗を再現する
ドキュメンタリーをTVでやった事があります。
天目茶碗は再現出来たのですが、本来の中国製は失敗作が、
流出したと言っていたように記憶しています。
曖昧な記憶で申し訳ありませんが、
天目茶碗は失敗作だったのでしょうか?

To tm05311さん
こんにちは。
天目はいろいろ種類がありますが、曜変天目は偶然の産物と考えられているようです。最初に作った人にとっては、失敗だったのかもしれませんが、どうなんでしょう?
私は木の葉天目というのを持っているのですが、これも同じく南宋時代にうわぐすりを塗った後の器に偶然木の葉が落ちてできたものです。
これは、曜変よりも多く作られていたのですが、やはり技術が断絶して昭和40年代ぐらいから日本人が復活させたようです。こちらは、技術的に曜変ほど難しくないのか、現在ではかなり作品も多いようです。

もう、無知がばれてしまいました。
曜変と書かないと、星が器に移ったとは言えない訳ですね。
木の葉天目は、初めて知りました。美しい器です。
話は元に戻りますが、曜変天目茶碗が失敗作だとすると、
無作為の美の究極になります。日本人の美意識は、
何百年たっても変わっていない事になると思います。
ご教授、ありがとうございました。
次はびっくり水で、お会い致します。

To tm05311さん
いえいえ、私もあまりよく知らないのですが、
昔、近くの器屋さんが、ヒマだったのかいろいろ教えてくれました。
自分でも作られる人だったので、ものすごく詳しかったです。
珍しい物を沢山あつかっていました。高くて買えませんでしたが(笑)
こちらの文化遺産オンラインも面白いです。
http://bunka.nii.ac.jp/Index.do

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