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翻訳の値段

実は、わたくし翻訳が本業でございます。

在宅などで行いますと、仕事の合間にコーヒーなど飲みながら、ブログを書いたり読んだりできる、楽しいお仕事です。

 

翻訳稼業と申しますと、どうやったら翻訳者になれるのか、どのくらい儲かるのかといった質問を、やたらと受けます。

翻訳者のなり方については追々書きますとして、今日は翻訳のお値段についてのお話です。

と言っても、わたくしがやっておりますのは技術翻訳ですので、小説などの文芸翻訳は適用外ですので悪しからず。

 

さて、翻訳のお値段については、難易度が高いものですとか、難しい分野ですとか、珍しい言語などが高いとお考えの方も多いかと思いますが大きな勘違いです。

 

翻訳のお値段が高いのは、ズバリ!

 

      儲かっている分野

 

具体的には、金融、医療、薬品などがトップ3でしょうか。

他に特許翻訳などもございますが、特許と申しても分野が広うございますので、内容によりけりでございます。

 

医薬品分野では臨床データなどの翻訳がございますが、ほとんど数字ばかりで訳す部分が少なく、物凄く詰まらない仕事な割には報酬は高額です。

つまりは、どんなに難しい内容であろうと、顧客である企業が儲かってなければ翻訳者などに払えるお金はスズメの涙ということです。ただし、企業がどうしても必要とする突発的案件の場合、清水の舞台から飛び降りるつもりで高額報酬を支払います。

 

儲かってる業界かどうかというファクターを除けば、難易度、言語などによって決まると考えてほぼ間違いないです。

 

言語によるお値段の違いを見ていきますと、なかなか面白い事実が浮かび上がります。

まず、言語別の価格決定要素ですが、

 

● 需要の多い言語かどうか?

● 翻訳者の多い言語かどうか?

● 国家間の力関係

 

と、このようになります。

 

需要の多い言語としては、英語がトップに挙げられますが、同時に翻訳者も多いですから競争が激しいと言えます。

しかし、圧倒的な需要の多さと幅広さにより、お安い物から超高額なものまでバラエティに富んでいますので、参入しやすく、また高額報酬を狙ってステップアップもし易い言語です。

 

翻訳者の少ない言語は、競争がないというメリットもありますが、同時に需要も少ないため、定期的な仕事を得るのが困難な場合もあります。そのため、複数の言語を取り扱う方も増えています。

ただし、「○○語なら、あの人!」というぐらいの第一人者になれば、引っ張りダコな上に高額報酬が望めます。

知り合いに、法律分野のアラビア語専門の方がいますが、ヘタな弁護士より儲かってます。

このように、珍しい言語×儲かってる分野という組み合わせで、高額報酬を狙うのもいいでしょう。

 

最後に、国家間の力関係という不可解な要素がございますが、簡単に申しますと

 

   力の強い国の言語は需要がある

 

ここでいう国家の力とは、経済力と軍事力と申せましょう。

 

というわけで、国際語ということもあり、英語の需要が圧倒的なのは言うまでもありません。

英語以外の言語ですと、エネルギー関連のアラビア語とロシア語、デカすぎて無視できない中国語、ブラジルも無視できない存在なのでポルトガル語などが需要の多い言語です。

ドイツやフランスなども技術力や工業力がありますが、欧州の技術者は英語のできない人の方が珍しいですので、技術分野ではあまり需要は多くありません。

むしろ、表現力の発達した言語ですので、文芸翻訳の方が需要があります。

 

二番目の要素の「翻訳者が多いかどうか」に関係しますが、ネイティブが安く請け負うと値が下がるという傾向もあります。

中国語などでは、中国語以外から中国語に翻訳する場合、中国人が請け負いますので安い場合が多いですが、逆方向は英語などと比べても高報酬の場合が多いです。

中国関係の仕事は全般に安いと見られがちですが、世界各国の企業から需要があるため、企業の属する国の基準や企業の儲かり具合によりまちまちです。

 

二国間取引などの商業分野では、マイナーな方がメジャーな方に合わせるか、英語などの国際語を使います。こういったところに国家間の力関係が垣間見られます。

一方、技術分野におきましては取引は発生しておらずとも、その国に読みたい文献がある!その国に盗みたい技術がある!などと言った場合、その国の言語の翻訳需要が生まれます。技術も資源もない国の言語の翻訳重要は、ほとんど生まれません。

 

実は、日本ほど書籍の発行点数の多い国も珍しく、また特許技術も特許庁がHPであけっぴろげにしているなど、誠に大らかでございますため、海外では日本語の翻訳需要も密かに高いものがございます。

 

このように、翻訳のお値段からは、企業や業界の儲かり具合や国力などが計れ、ヘタな経済新聞よりも信頼性の高いデータが得られます。

 

某朝○新聞などの翻訳者募集広告など見ますと、コンビニの深夜バイトでもしてた方がマシな報酬だったりしますので、台所事情の苦しさを察するに余りあります。バカ高い社員の給与を減らせという話もありますが、最後の手段として大切にしまっているのでしょう。

 

また、日本のマスコミが大絶賛する韓国企業などにおきましては、もともと極端に人件費が安いこともあり、韓国語翻訳の報酬もフザケンナというレベルでございますので、いかに財務諸表の粉飾が為されているかが理解できるわけでございます。

 

第二外国語は何を学んだらいいかという質問も良く受けますが、常々「韓国語だけはやめておけ」とだけお答えしております。

 

 

 

AUTHOR: kentanto DATE: 09/03/2010 06:35:50 おはようございます。 水野麻子氏の「8ヶ国語翻訳する本」なんかを読むと、考え方でずいぶん得をする人と、損をする人がいる業界のように思えますね。 最もこれは他の業界でも考えられることですけど。
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