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茶の話(8) 韓国茶道では、なぜ茶杓を使わないのか?

韓国茶道ファンの皆様、お待たせいたしました。

今回は、茶杓の謎に迫りたいと存じます。

 

では、茶杓とはなんぞやとおっしゃる方のために、簡単にご紹介申し上げます。

 

お点前を致しますとき、抹茶を茶入れや棗から茶碗へ掬い出すお道具が茶杓でございます。

 

  

 

茶杓は、一般に竹でできておりまして、シンプルな白竹、渋いすす竹やしみ竹、華やかな塗りを施したものなどがございます。

 

写真をご覧頂いてお分かりになります通り、竹の節がございます。

この節が真ん中にございますのが「草」の茶杓と申しまして、カジュアルなお点前に用いるものでございます。

 

節が根元の方にございます「元節」というものもございますが、これは「行」の茶杓でやや格の高いお点前に用います。

 

更に、節がまったくない「節なし」もございますが、これは「真」の茶杓で最も格の高いお点前に用いるものです。中国より伝来いたしました当初、茶杓は象牙でできておりました。象牙には、節がございませんので、竹で真の茶杓を作ります場合も節を避けて作るのでございます。現代では、象牙が入手し難くなりましたため、鹿の角などで作られたものもございます。

 

ここに「真・行・草」という言葉が出てまいりましたが、これは書道で言えば「楷書・行書・草書」のようなもので、フォーマルの度合いを表しております。

茶道におきましては、お点前の作法からお道具、お辞儀の仕方にまで「真・行・草」がございます。

 

前回、「台子」を用いる中国伝来当初のお点前を上級点前とご紹介いたしましたが、これが最もフォーマルな「真」のお点前と位置付けられております。そのため、お道具におきましても、中国伝来当時の形が概ね「真」とされ、フォーマルなお点前に用いられるのでございます。

 

このような上級のお点前は、一般に、自分より格上の方をお招きした場合や、特別な記念日などに行います。

 

さて、このようなお道具は誰が作るのかと申しますと、三千家(表千家、裏千家、武者小路千家)に出入りをしております「千家十職」という職方が代々引き継いで作品を作っておるのでございます。と、申しましても一般人が購入するものは、普通の職人さんが作ったそれらの写しや、職人さんオリジナル作品などでございます。

 

千家十職には、金物師、表具師、竹細工・柄杓師、袋師、土風炉・焼物師、茶碗師、塗師、釜師、一閑張細工師、指物師がございます。

 

茶杓は、代々家元が好みのデザインを考案し、竹細工師に作らせておるのでございます。

竹細工師の名前は表にはでませんが、作品に「銘」を付けることができ、茶席のお道具拝見の問答では、この「銘」が語られるのでございます。

 

茶杓は、薄茶の場合は季節感のある銘、濃茶の場合は禅語などの銘のついた物を用います。

 

稽古の場合は、「銘」のあるような高級なものは使いませんので、その場で自分で考えたりいたします。

夏場の薄茶ですと「卯の花」「蝉しぐれ」「潮騒」など、濃茶の場合は「和敬」「静寂」「好日」「無」などとなりますが、このようにして日本語の感覚を磨くのでございます。

 

さて、ここまで全く韓国茶道が出てまいりません。韓国茶道ファンの方々には大変申し訳ございませんが、韓国茶道では抹茶を使わなくなりましたため茶杓の出番もなくなってしまったのでございます。

 

しかしながら、ここで終わらせましてはファンの方々に申し訳が立たないというもの。

というわけで、韓国茶道で使われていたあの茶杓は今・・・・・を探ってまいりました。

 

    

 

写真は、韓国茶道のお道具ですが、竹のヘラのようなものがご覧いただけるかと存じます。

左の写真は、茶入れと思しき容器が映ってございますので、どうやらこれが茶杓に代わる新しいお道具のようでございます。

日本の茶道の茶杓とは、似ても似つかぬものに変身してございますが、はて、これは一体いかにして使うものなのでございましょうか。

 

こちらの動画で確認いたしましょう。2:40あたりにご注目でございます。 

 

いかがでございましょう、この斬新な所作。 

ついにウリナラ・オリジナルのお作法が完成されたのでございましょうか。

 

 

しかし、この所作、斬新過ぎて意味が分らないのでございます。

例によって、ウリナラ茶道には全く所作の説明がございません。

ウリナラ・オリジナルを打ち出すため、無理やりに編み出したものでございましょうか。

 

素人のわたくしには、到底ご説明は無理でございますゆえ、

「小笠原流煎茶道」の先生にご説明いただきましょう。

 

 

如何でございましたでしょうか。 

さすが、小笠原流。簡潔明瞭なご説明で、素人のわたくしにもおもてなしの心の一端が伝わってまいります。

 

煎茶道で用いられますこのお道具は、茶合、茶量、仙媒などと申しまして、煎茶の量を適切に測るための物でございます。

 

韓国茶道のあのお道具の名称は、わたくしにはサッパリでございますゆえ、皆様でご探求いただくのがよろしいかと存じます。

 

元々、象牙製品として伝わったお茶杓を竹で代用いたしましたのは、日本では象牙が入手困難な代わりに竹が豊富だったという 条件がございました。日本より先にウリナラに伝わったはずの韓国茶道が、なぜ、象牙の代わりに豊富に生えていない竹を用いたのかも、また新たなミステリーでございます。

 

知れば知るほど謎の深まる韓国茶道。ファンの方々が目が離せませんのも道理でございます。

 

 

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韓国茶道(高麗茶道)シリーズ

 

茶の話(1) 茶葉の話

茶の話(2) 「相棒」杉下右京の珍推理

茶の話(3) 韓国茶道では、なぜトイレットペーパーを使うのか?

茶の話(4) 韓国茶道では、なぜ保温ポットを使うのか?

茶の話(5) 続・韓国茶道では、なぜ保温ポットを使うのか?

茶の話(6) 韓国茶道では、なぜ急須を使うのか? 

茶の話(7) 韓国茶道では、なぜトレイを使うのか? 

茶の話(8) 韓国茶道では、なぜ茶杓を使わないのか?

茶の話(11) 韓国茶道には、なぜ流派がないのか?

茶の話(12) 高麗茶道は、なぜ廃れたのか? 

 

 

 

AUTHOR: tm05311 DATE: 07/22/2010 12:15:59 小笠原流煎茶道ですら、洗練とは程遠いですね。 茶道だと、松永久秀、織田信長、上田宗箇等のお茶だけ、 飲んでた訳ではない超一流の人の名が簡単に出ますが、 煎茶道は、そう言った洗練とは無縁だからでしょうか。 韓国茶道の竹べらですが、ご隠居様が紹介してくれた イラストによると、紙を使っています。 こっちの方が、上品な感じがしますけど、竹べらの方が良いのでしょうか。 http://www.iza.ne.jp/images/user/20090421/470115.jpg
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