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「夫婦別姓」と「戸籍制度廃止」(4)

民主党叩きを強化する当ブログとしては、民主党大敗後もシミュレーション続行。

というわけで、【前回】のつづき>>>

 

 

「美和子ちゃん。こんなところで立ち話も何だから、狭いですけど私の家にいらして」

 

川村さんは、そう言うと路地の奥へ歩いていき、裏道へ出た。

美和子は、そのまま、川村さんの後について行った。

「ここです」

と、案内されたアパートは、築40年以上は経っていると思われる古びたアパートだった。

 

アパートの向こう側には、大きなマンション風の建物があった。

「女性救済センター」という大きな看板が付いていた。

美和子が、日本を離れる前には見なかった建物だ。

「川村さん、あの建物は?」

「ああ、あそこは、女性の地獄よ・・・」

えっ?信じられない面持ちで、美和子は川村さんの顔を見た。

「私の今の家は、こんなボロアパートだけど、あそこよりはずっとましよ」

そう言って、川村さんはアパートの鍵を開けドアを開いて、美和子を招じ入れた。

 

部屋は、六畳一間に小さな台所がついているだけだった。トイレは共用のようだ。

川村さんは、美和子に座布団を勧めると、お茶を入れるわねと台所に立った。

ちゃぶ台の向こう側に座ると、お茶を淹れながら川村さんは話始めた。

「主人が亡くなる一週間前にね、突然、人権救済委員会の婦人部隊が乗り込んできたの」

川村さんは、美和子に茶を勧めた。

「いただきます」そう言って、美和子は温かいお茶を味わった。

川村さんがこれから話す辛い記憶とは反対に、日本に帰って初めて味わった温かさだった。

 

「夫婦別姓法案が可決されたのは、去年の8月でしたけど、私たちには全く関係のないことだと思ってたの。私は、主人を本当に大切に思っていましたし、主人も私を大事にしてくれていました。こんなに深く信頼し合っている夫婦が、別姓を名乗るなんておかしいでしょう」

川村さんは、自分で入れたお茶を飲みながら懐かしそうな目で窓の外を眺めた。

「それが、突然、婦人部隊が乗り込んできて、なぜ夫婦別姓にしないのかだなんて、最初は何を言われているのか分らなかったわ。でも、あの人達は、妻である私をいつまでも解放しない主人を人権侵害の犯罪者だと言い出したの。私は、とんでもない!って叫んだわ」

「納得して夫婦同姓を名乗っているのに・・なぜ」

「あの人達には、関係ないのよ。すべての女性は、夫の束縛から解放されるべきなんて言ってるんですもの」

昨日から、信じられないことばかりだったが、この考えにはフェミニストの美和子にも違和感があった。

 

川村さんは、目をつむり悲痛な表情で続けた。

「主人は、そのまま婦人部隊に連行されて、私は何がなんだかわからないまま。一週間たって、主人が解放されて、フラフラになって帰宅したのよ。主人は私に『すまない、すまない』って何度も謝ったわ。無理やり別姓にさせられたと言って」

「無理やりって、奥様の意思はどうなってしまうの?」

「関係ないのよ。夫婦別姓法案で夫婦別姓を申請する書類には、妻の同意の署名は必要ないの。民主党の考えでは、すべての女性は夫の束縛から解放されるべきであり、すべての女性は夫婦同姓を無理強いさせられているってことなの。だから、夫のサインさえあれば、夫婦別姓になってしまうの」

「そ、そんなバカな」

「主人は、必死に抵抗したのよ。でも、人権救済委員会の婦人部隊は一週間、主人を眠らせることも休ませることもなく、糾弾し続けたの。最後には、朦朧とする意識の中で、無理やり申請書にサインをさせられていたの」

美和子は、沈黙した。川村夫婦の人権を踏みにじる人権救済委員会。いったい何なの?川村さんは続けた。

「主人は、すでに65歳を過ぎていましたから、もう体力が持たなかったのでしょう。帰宅して、そのままベッドに倒れ込むと、二度と目を覚ますことはなかったの」

川村さんは、訴えるように言った。

「美和子ちゃん、私ね。川村っていう姓が、とても好きなの。もう40年以上も名乗っているでしょう。私は、大切な主人と共有した名前まで亡くしてしまったの」

 

二人の間に、気まずい沈黙が流れた。

民主党が推進した「夫婦別姓法案」と「人権侵害救済法案」が、川村さんのご主人を死に追いやり、奥様から最愛の人と大切な名前を奪った。

 

「あの、川村さん」最初に沈黙を破ったのは美和子だった。

「ご主人が亡くなられてから、どうして引っ越しを?代々住んでいらしたお家でしたのに」

 

川村さんは、顔を上げると怒りのこもった眼差しで、美和子をまっすぐに見つめた。

 

 

「主人の初七日も過ぎないうちに、あの中国人の女が現れたのよ」

 

 

>>>つづく

AUTHOR: kenzo1348 DATE: 07/13/2010 18:08:32 こんにちは。 本編も秀逸の出来ですね。  現政府が公明党と部分連立でもしたら直ぐにでも起きそうなストーリーで「お~怖いじゃあ~りませんか」と心で叫びながら読んでいます。 ところで、ここ数年、すべてのメディアを疑ってかかる変な癖がついてしまった私メは現在最も保守的と思われる「チャネル桜」に時々出てくる日本に帰化した日本が大好きと思われる中国人が、実は中国共産党の工作員だったら一体どうなるの、と怪しげな妄想に取りつかれる事があります。 目的は反政府・反シナ分子の情報を集められるだけ集めて、その後PCのアクセス情報をたどって一網打尽。 これはもう完全にノイローゼの域に達しておりますな(--〆)。
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