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茶の話(15) 丁宗鐵をぶった斬る その3

お待たせいたしました。今回は「小間」についてのお話でございます。

 

では早速、丁宗鐵の著書の「小間」に関する記述をお読みくださいませ。


『正座と日本人』(丁宗鐵著、講談社、初版:2009年4月21日、)
 「利休の茶の湯はインターナショナル」p56より引用

 

 たとえば、四畳半以下の茶室のことを、小間(小間造り)、小間囲い、あるいは小座敷や草庵茶室といいます。この小間は、江戸時代までは「高麗」と書き、朝鮮建築のことです。小間には、にじり口が付きものですが、にじり口は朝鮮建築の典型例です。おそらく両班(高麗朝、李朝の文官と武官の総称)の家の隅にある書生部屋をイメージしたものと思われます。
 にじり口とは、高さと幅が六十数センチほどの小さな出入り口で、武具、飾りなどの一切を除き、にじって入るのでこの名が付いています(「にじる」とは、座ったまま膝で進むこと)。朝鮮半島の冬は日本よりずっと寒いため、こうした小さな出入り口が発達しました。おそらく利休は、堺で高麗人やその後に来日した李朝の朝鮮人と交流する中で、高麗茶道の作法とともににじり口をはじめとした小間を発想したのではないでしょうか。
(※以上、原文のまま)

 

 

前回同様、あまりにも明らかな間違いがございますので、先ずはそれらを正しておきましょう。


>四畳半以下の茶室のことを、小間・・・

 

「四畳半より小さい」が正解でございます。

 


>四畳半以下の茶室のことを、・・・草庵茶室といいます。

 

草庵とは元々、藁や草で葺いた田舎家のことでございます。
自然美あふれる田舎家の風情を取り入れた外観の茶室を、草庵風と申します。
四畳半以下でも草庵でない茶室もございます。

 


>この小間は、江戸時代までは「高麗」と書き、朝鮮建築のことです。

 

高麗と書いて「こま」と読むのは、高句麗を指して言う場合のみでございます。
江戸時代でも、人名や地名などの固有名詞を除き、高麗は「こうらい」と読んでおります。
この先生には、茶室の小間が高麗と書かれている江戸時代の文献を、是非ともご紹介いただきたいものでございます。

 


>にじり口は朝鮮建築の典型例です。

 

このような事は、ぐーぐる先生が一番よくご存知でいらっしゃいます。
"korean traditional house"で画像検索してみましょう。

 

http://www.google.co.jp/images?hl=ja&q=korean+traditional+house&rlz=1R2TSJH_jaJP342&um=1&ie=UTF-8&source=univ&ei=-A5xTPP2HI3AuAOr08xC&sa=X&oi=image_result_group&ct=title&resnum=1&ved=0CCIQsAQwAA&biw=1039&bih=589

 

「にじり口」を発見できた方は、ぜひコメントにてご連絡くださいませ。

 

そもそも高麗時代の建築は、唐の様式を取り入れてございまして扉はすべて観音開き。日本の茶室の躙り口に見られる引き違い戸はございませんし、扉は縦に細長いのが特徴でございます。

ご参考に、典型的な高麗建築として有名なMuryangsu Hallの画像をどうぞ。
http://www.britannica.com/EBchecked/topic-art/117405/2849/Muryangsu-Hall-of-Pusok-Temple-wood-13th-century-Yongju-South


 

>おそらく利休は、堺で高麗人やその後に来日した李朝の朝鮮人と交流する中で、高麗茶道の作法とともににじり口をはじめとした小間を発想したのではないでしょうか。

 

はてさて、この先生は朝鮮の歴史を勉強なさったことがないのでござましょうか。
 

まじめに世界史を学んだ方ならご存知の通り、高麗が滅びましたのは1392年。
利休が生まれましたのは1522年。如何にして、利休が堺で高麗人と交流し高麗茶道の作法を知る事ができるのでございましょう。韓国茶道の先生方は、皆さん李氏朝鮮時代には儒教の影響で喫茶の文化が廃れたとおっしゃっておりますがww

 

 

尤も、急須の話といい、高麗茶道の時空を捻じ曲げる力は我々日本人の想像を絶するものがございますが。

 

 

 

では、気を取り直しまして、茶室の成り立ちについてご説明申しあげましょう。

 

平安時代から鎌倉時代にかけての日本建築の主流は、寝殿造でございます。寝殿造は、源氏物語絵巻などに見られますように、宴会場のような広い座敷を几帳などで仕切って居室としておりました。

 

室町時代になりますと襖や障子が発達し、区切られた部屋がつくられるようになります。部屋には、床の間、違い棚、付書院などが備え付けられ、このような設備を備えた座敷や家屋を書院造と呼びます。

 

室町初期の遊びの茶は、宴会のように華やかに行われておりましたが、村田珠光の始めた草庵茶では広い座敷を必要としなくなりました。そこで、書院造の広い座敷の一部を屏風などで囲って、茶を点てましたのが茶室の起源でございます。

珠光に茶の湯を学んだ足利義政は、慈照寺に建てた東求堂に同仁斉と呼ぶ四畳半の自身の居室を作りました。また、珠光も四畳半の茶室を作っております。

 

やがて、素朴で飾り気のないことに侘びを求めた武野紹鷗は、百姓家をもとに藁葺や雑木を使った四畳半の離れを作ります。そこに田舎家の囲炉裏を模した炉を切りました。これが、母屋から切り離された独立した茶室の誕生でございます。

このような侘び茶室を数寄屋といい、それを模して造られた建築を数寄屋造と呼ぶようになります。

 

紹鷗時代の古図に、既に躙り口が存在しております。よって、利休が朝鮮建築を取り入れたという説は正しくございません。

 

利休の時代になりますと、亭主と客がより親密に点前を行うには四畳半では広すぎると考えられ、三畳や二畳のいわゆる小間が登場します。さらに、四分の三畳分の大きさの台目畳が考案され、点前をするための台目畳と客畳一畳を合わせて、一畳台目という最も狭い茶室が完成いたします。

 

多くの戦国武将らと茶の交流を重ねた利休は、亭主と客が近づくことにより真剣勝負にも似た緊張感を高めることで、侘び茶の精神をより研ぎ澄まされたものにすることを試みたのでございます。

 

茶室は四畳半を基本とし、それより広い茶室を「広間」、狭い茶室を「小間」と呼びます。
広間と小間では、動作や行える手前に違いがございます。

広間では、客が拝見した道具を返す際などに歩くことができますが、小間ではすべての動作を躙って行います。また台子点前などは、広間で行い小間では行いません。
四畳半は、広間と小間のどちらの扱いも可能でございます。

 

 

ということで、やはり丁宗鐵先生には何はさておき、祖国の歴史について正しくお勉強して頂く必要があろうかと存じます。

 

 

次回は、正座について。

 

 

ぶった斬る!シリーズ

*************************

その1 丁宗鐡をぶった斬る!

その2 妻と母親を取り違える丁宗鐡

その3 安土桃山時代に高麗人!?!時空を超える丁宗鐡

その4 朝鮮女性はモノと同じですが、江戸の女性は違います

その5 丁宗鐡「利休は正座していなかった!キリッ!」 ~ してますが。

その6 忠誠心と敬意の違いが理解できない丁宗鐡

その7 正座は日本人の心です

その8 丁宗鐡が知らない畳の歴史

その9 江上剛・書評を書いて法則発動

まとめ 丁宗鐡「正座と日本人」間違い一覧

 

 


 

AUTHOR: ご隠居 DATE: 08/23/2010 09:16:43  受験生には韓国史が敬遠されているようですから、ますます時系列を無視した傑作が生まれてくるんでしょうな。  今でも朝鮮戦争の相手は日本、と回答する中高生がいるそうですし。  高麗茶道については民団新聞も怪記事を載せていましたが、彼等の脳内ではほとんど関係のないことでも「推定される」の一言で事実と化してしまいますし。
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非公開コメント

To ご隠居さん
> 受験生には韓国史が敬遠されているようですから、ますます時系列を無視した傑作が生まれてくるんでしょうな。
> 今でも朝鮮戦争の相手は日本、と回答する中高生がいるそうですし。
>
> 高麗茶道については民団新聞も怪記事を載せていましたが、彼等の脳内ではほとんど関係のないことでも「推定される」の一言で事実と化してしまいますし。
ウリナラ格言「歴史とはファンタジーである」みたいな・・
それにしても、なぜ韓国史が受験生に敬遠されるんでしょう。
無意識のうちに悲惨な歴史から目をそむけようとしてるとか?

To tm05311さん
>相変わらず稚拙な嘘ですね。韓国内で出版するなら分かりますが、
>これを日本で出版する厚顔無恥加減には呆れます。
>にじり口が、寒さ対策ですか。それ以外の時は、不便でしょうがないでしょうに。
>朝鮮人だって、そんな不便には耐えられないでしょう。
>それぐらい気が付かないって、どれだけ思考能力が欠落しているのやら。
>茶室と言う特別な空間を演出しているから、成立していると分からないようですね。
何事も結論ありきの民族ですから。

To kamosukeさん
>貧乏くさいとして、これまで見向きもしなかったのに、茶の湯がそんなにうらやましいんですかねえ。いくら世界で評価されているといったって、アニメほどには大衆の間に浸透していないでしょうに。
>いくら起源病を発症しているからといって、茶の湯に手を突っ込むのは、相当な無理があると思うんですけどね。古い朝鮮の寺社建築には、日本の寺社建築にはない美しさがあるんですから、そっちの方面を売りにしていけばいいのに、と思うのですが、それができたら、韓国人じゃなくなっちゃいますか。やっぱり、できるだけ近寄らないほうがいい民族ですね。
>
>茶の湯をかじってみたいと思いつつ、なかなか最初の一歩が踏み出せないKamosukeでした。
さすがにアニメの起源を主張できないことは理解しているようですね。
一人で楽しむ抹茶セットなんてのも売っていますし、まずはご自分で楽しんでみてはいかがでしょう。お茶の世界は、焼き物や書、花、和服、和菓子など楽しめる要素が沢山ありますので、関連する本を読むだけでも楽しいと思います。

連中の場合、茶器や道具の類を捏造・転売して儲けようという魂胆なんでしょう。
箱に、有名な鑑定の一筆が入れば値段が跳ね上がることを知ってますね。

To hanehanさん
>連中の場合、茶器や道具の類を捏造・転売して儲けようという魂胆なんでしょう。
>箱に、有名な鑑定の一筆が入れば値段が跳ね上がることを知ってますね。
捏造・パクリが国技ですので。

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